重いテーマを絵画で表現

 22歳のとき、ピカソの絵を見て号泣するほどの衝撃を受け、画家になる決意をしたというわが友人。「ピカソも岡本太郎も、表面ではなく作品の内部が動き出して、愛情や野心のようなものを与えてくれるんです。言葉では表現しきれない不思議な世界で、私にとっては先生のようなものです」とのこと。
 現在は「砂漠シリーズ」と「親子シリーズ」という2つのテーマを中心に描いています。まず「砂漠シリーズ」は人の心にすむ闇を描いたもの。「今は昔と違ってものは豊かになったけれど、どこか満足できない人が増えているように思います。心が枯れてしまって、人はオアシスの見つからない砂漠の迷路に迷い込んでしまっているのではないでしょうか」と話します。
 また、「親子シリーズ」では、本来響きの良いはずの「親子」がうまく響かなくなっている現状を描いています。「人間として生まれてきた以上、現代が抱える重いテーマを、絵を通して訴えたいと常に思っています。世の中の出来事に怒りを覚えながら描くことが多いんです。ムカツク思いをとりあえず絵にぶつけるしかないと思って」と笑う友人。さまざまなコンテストで受賞もしています。
 今後は、1枚1枚の絵を見ながら一つの物語をたどっていくアートストーリーのような個展が開けたらと意欲を燃やしています。